FEMの数理モデルの扱い方

[邵 08]によると大きく分けて以下の3つがある。

1) 仮想仕事の原理

(表面力と仮想変位による仮想仕事)+(体積力と仮想変位による仮想仕事)=(応力と仮想ひずみによる仮想仕事)
として仮想変位を導入すると、両辺の仮想変位が相殺されて、節点変位だけが残る。[邵 08]

2) エネルギー原理(最小ポテンシャルエネルギーの原理)(変分原理)

[石川 14]と[小松 09] に解説あり。内部エネルギーEi=ひずみエネルギーと外力(表面力、体積力)によるエネルギーEeが一致する必要があることから、ポテンシャルエネルギーΠ=Ei-Eeがゼロ、すなわち最小となる条件が導かれる。実際はこれは変分法による定式化であり、構造力学では変分原理のことを最小ポテンシャルエネルギーの原理と呼ぶ[菊池 99]
[土木学会 08] によれば、歴史的にはエネルギー原理と仮想仕事の原理が最初に定式化に用いられたが、これらは汎関数の存在を暗に仮定しているという制限があった。後述の重み付き残差法を使うと汎関数が存在しない場合でも求解できるため、こちらの定式化に移っていった。[土木学会 08]

3) 重み付き残差法(ガラーキン法)

数理モデルに重み関数をかけて積分することにより連立代数方程式を導く。形状関数を重み関数とする場合、これをガラーキン法と呼ぶ。[邵 08]



参考文献
[邵 08] 邵 長城, 基本からわかる有限要素法
[石川 14] 石川 博幸, 青木 伸輔, 日比 学, <解析塾秘伝>有限要素法のつくり方! -FEMプログラミングの手順とノウハウ-
[小松 09] 小松 敬治、小松機械構造振動学 - MATLABによる有限要素法と応答解析
[土木学会 08] 土木学会 応用力学委員会 計算力学小委員会、いまさら聞けない 計算力学の常識
[菊池 99] 菊地 文雄、有限要素法概説―理工学における基礎と応用 (FEM+BEM (3))