乱流モデル

乱流解析の手法

DNS: Direct Numerical Simulation
– モデル化を行わず、最小渦までメッシュで解像し、直接計算する
– 計算コストが膨大になるため、研究目的を除いて実施されない

LES: Large Eddy Simulation
– 大きな渦は直接計算し、メッシュより小さな渦はモデル化
– 非定常な渦の変動などを解析できるが、計算コストは高い

RANS: Reynolds Averaged Navier-Stokes
– すべての大きさの渦をモデル化し、時間平均的な挙動を計算
– 低コスト・定常解析が可能だが、非定常解析には不向き

乱流モデルの使いこなし:ANSYS・CAE活用事例ダウンロード:サイバネット

RANS

Reynolds応力について解く方法に、1)Reynolds応力モデルと2)渦粘性モデルがあり、スカラー近似できる後者が用いられる。渦粘性モデルには2方程式モデルがあり、k-ε、k-ω、k-ω SSTの3つがある。1方程式モデルにはSpalart-Allmarasもであるがある。

LES

グリッドスケールとサブグリッドスケールの2種類に分解する。前者はモデル化せず直接解き、後者は渦のモデル化を行う。
こういう区分的にスケールを変えて考える方法を一般的にSRS(Scale-Resolving Simulation)という。
サブグリッドスケール(SGS)モデルにはSmagornsky-Lilly、WALE、WMLESなどがある。

SRS

計算性能の低い壁付近をRANSにまかせるような、ハイブリッド式も用いられる。これをDES(Detachd Eddy Simulation)という? [Spalart 2000] ほかにもSAS(Scale Adaptive Simulation)というハイブリッドモデルもある [Menter 2010] [Egorov 2010]。SRSには他にもELES、SBESなど多くの方法が研究されており、CFD乱流モデリングの主要な研究分野になっている。(参考:Scale-Resolving Simulation Techniques in Industrial CFD, 2011)