タグチメソッドの静特性:望目特性と望大特性

マグカップの例題

点数で評価しており、点数が高いほうが良い。
であれば当然望大特性(larger-the-better)を選択するだろう、と思いきや

高ければ高いほど良いのではなく、「評価の点数が高い点数(この例題では8点)に近いほうが良い」というロジックで望目特性を選択していた。
自然に考えるとおかしいので、何か裏がありそうな気はする。

以下の文献に関連しそうな記載があった
品質工学(タグチメソッド)とは何か - 立林和夫

望小特性や望大特性は推奨されておらず、裏を返せば望目特性は使っても良いということだと思われるので、上記のロジックで望目特性を選択しているのかもしれない。

これに加えて、望大特性と望目特性のSN比を計算して以下のように比較してみたら、面白いことがわかった。

望大特性のSN比のトレンドは平均値のトレンドと一致しており、情報の追加がみられない。
これに対して、望目特性ではSN比のトレンドが逆転している部分が多い。

計算式を比べてみると、望大特性では分散(ばらつき)の情報が入っていない。これだと、ばらつきを抑える1段階目の設計にSN比を使う意味があんまりないんじゃないのかな?
この1点においても、静特性の分析において望目特性をなるべく使うべきだと思われる。