機体固定座標系における軸のとり方

1)慣性主軸(Principal axes)
X軸を慣性主軸の1つに一致させる。このとき、Ixz=0となる。
2)安定軸(Stability axes)
X軸を左右対称な定常釣り合い飛行時の機体速度ベクトルVc0に一致させる。
運動方程式を線形化する際に、無次元安定微係数の計算が容易になる。
運動方程式も簡単になる。
釣り合い状態ではV=W=0となる。(上下左右に動かない。まっすぐ進む。)
このときVc=Vc0=Ui
※機体に対するVc0の方向は飛行条件によって変わるので、X軸の方向(=安定軸)も飛行条件によって変わる。
3)機体軸(body axes)
X軸を床面や、機体の特定の基準線に平行にとる。安定微係数が複雑になるが、座標系が飛行条件によって変化しない。
ジャイロや加速度を考慮した解析では、座標軸を制御系の基準線に固定した機体軸が便利である。

慣性主軸と安定軸は機体軸の特別な場合であるといえる。

通常用いる機体固定座標系は、2)安定軸、か3)機体軸、のいずれかである。