放物形、楕円形、双曲形

  • 放物形は一方向性の運動、楕円形は2方向性の概念を表す[パタンカー 85]
  • 放物形の例
    • 非定常熱伝導問題は時間に関して放物形、空間に関して楕円形。
    • 定常熱伝導問題はすべての座標について楕円形。
    • 2次元境界層は流れ方向座標については放物形、流れに直角方向については楕円形。

[パタンカー 85]による微分方程式の形の分類の定義

少なくとも一方向性座標が一つ存在すれば,その状態を放物形とよび,そうでない場合を楕円形とよぶ。

一方向性空間座標が一つ含まれる流れを境界層形流れと呼ぶ

すべての座標が2方向性である流れを循環流と呼ぶ

[パタンカー 85]による双曲形の取り扱い

  • 双曲形の現象は数値計算法の分類とは的確に対応しない
  • 双曲形問題は一種の一方向性の挙動を含んでいるが,座標方向ではなく,特性曲線に沿っている
  • 双曲形問題はeとして扱う


参考文献
[パタンカー 85]: コンピュータによる 熱移動と流れの数値解析、 スハス V.パタンカー 水谷 幸夫 香月 正司

非ニュートン流体

www.cradle.co.jp

ビンガム流体

歯磨き粉やバターなど:静止した状態でもせん断応力が働くため、流体なのに静止している。あるせん断応力を超えると流れ出し、このときの状態をビンガム降伏という。

擬塑性流体

マヨネーズやケチャップなど:速度勾配が大きくなるにつれて流れやすくなる(せん断応力が小さくなる)➟速度勾配が大きくなるにつれて線形に流れにくくなるニュートン流体とは逆の挙動

ダイラタント流体

水溶き片栗粉:速度勾配が大きくなると急激に流れにくくなる。ゆっくりとはかき混ぜることができるが、一気に力を加えて混ぜようとすると急激に硬化する(でんじろうチャンネルで動画が
見れる)。

粘性に関するストークスの法則、アレンの法則、ニュートンの公式

粒子の落下速度がわかる?「ストークスの法則」を理系学生ライターが解説! - ページ 2 / 3 - Study-Z ドラゴン桜と学ぶWebマガジン

トークスの法則

レイノルズ数Re<2のとき成り立つ

粒子の終端速度:  v=\dfrac{D^2 (\rho_p-\rho_f g)}{18 \eta}
D: 粒子直径
ρp:粒子の密度
ρf:流体の密度
η:流体の粘度

流体が受ける力: F=6\pi r \eta v
r: 流体の半径

アレンの法則

kotobank.jp

レイノルズ数 Reが1から500の範囲で適用可能

流体が受ける力: F \propto d^{\frac{3}{2}} u^{\frac{3}{2}} \rho^{\frac{1}{2}} \eta^{\frac{1}{2}}

ニュートンの法則

pigeon-poppo.com

クエット流のせん断応力: \tau = \mu \dfrac{d u}{d y}

化学種の保存式、エネルギー方程式、運動方程式

DNS: Direct Numerical Simulation – モデル化を行わず、最小渦までメッシュで解像し、直接計算する – 計算コストが膨大になるため、研究目的を除いて実施されないLES: Large Eddy Simulation – 大きな渦は直接計算し、メッシュより小さな渦はモデル化 – 非定常な渦の変動などを解析できるが、計算コストは高いRANS: Reynolds Averaged Navier-Stokes – すべての大きさの渦をモデル化し、時間平均的な挙動を計算 – 低コスト・定常解析が可能だが、非定常解析には不向き

https://seinzumtode.hatenadiary.jp/entry/2020/08/19/161300

化学種の保存式

ml: 化学種の質量分率
 \dfrac{\partial }{\partial t}(\rho m_l)+div(\rho u m_l+J_l)=R_l
質量変化率流束(対流+拡散)の発散質量生成率

対流流束  \rho u m_l

拡散流束  J_l = -\Gamma_l grad  m_l:フィックの法則

流束の発散
 div J = \dfrac{\partial J_x}{\partial x}+\dfrac{\partial J_y}{\partial y}+\dfrac{\partial J_z}{\partial z}:単位体積あたりの正味流出量

[一般的な連続の式の表示]
 \dfrac{\partial \rho}{\partial t}+div(\rho u)=0
あるいは
 \dfrac{\partial \rho}{\partial t}+\nabla \cdot \rho u=0
➟これは拡散流束と化学種の生成を無視している


エネルギー方程式

(定常低速・粘性の消散を無視したエネルギー式)
 div(\rho u h)=div(k\ \rm{grad} \ T)+S_h

 div(k\ \rm{grad}\ T):熱伝導のフーリエの法則に基づいた熱の移動量
 S_h :単位体積あたりの熱の発生量

[さらに理想気体・固体・液体の場合]
 div(\rho u h)=div(\dfrac{k}{c}\ \rm{grad}\  h)+S_h

[さらに比熱比一定の場合]
 div(\rho u T)=div(\dfrac{k}{c}\ \rm{grad}\  T)+\dfrac{S_h}{c}
(Tを従属変数にすることができる。もちろんhを従属変数にしても良い)

[さらに定常熱伝導の場合]
 div(k\ \rm{grad}\ T)+S_h=0


運動方程式

 \dfrac{\partial}{\partial t}(\rho u)+div (\rho u u )=div(\mu \rm{grad}\ u)-\dfrac{\partial p}{\partial x}+B_x+V_x

 B_x:x方向の単位体積あたりの体積力
 V_x:div(μ grad u)以外の粘性力

比較:N-S方程式の導出
[一般的な運動方程式]
 \dfrac{D u}{Dt}=\rho K_x  +\left( \dfrac{\partial \sigma_x}{\partial x} + \dfrac{\partial \tau_{xy}}{\partial x} + \dfrac{\partial \tau_{xz}}{\partial x}\right)
[Newton流体の構成方程式(面積力)]
面積力  P = - \rm{grad}\ p+\dfrac{1}{3}\rm{grad} \ div(u)+\mu \nabla^2 u
x方向で考えると、 P_x=-\dfrac{\partial p}{\partial x}+\dfrac{1}{3}\mu \dfrac{\partial }{\partial x} div (u)+\mu  \dfrac{\partial}{\partial x} \left( \dfrac{\partial u}{\partial x} + \dfrac{\partial u}{\partial y} + \dfrac{\partial u}{\partial z} \right)
[Newton流体の運動方程式]
 \dfrac{\partial u}{\partial t}+(u \cdot \rm{grad}) u=K-\dfrac{1}{\rho}\rm{grad}\ p+\nu \nabla^2 u + \dfrac{1}{3}\nu \rm{grad}\ (div\ u)
[N-S方程式(Newton流体かつ圧縮性を無視。上記第4項が消える)]
 \dfrac{\partial u}{\partial t}+(v\cdot \nabla)u = K - \dfrac{1}{\rho}\nabla p + \nu \nabla^2 u
[Eulerの運動方程式(N-S方程式における粘性による拡散項(上記第3項)を無視➟非粘性の解析に用いる)]
 \dfrac{\partial u}{\partial t}+(v\cdot \nabla)u = K - \dfrac{1}{\rho}\nabla p
[ベルヌーイの式(Eulerの方程式を流線に沿って積分)]
 \dfrac{|u|^2}{2}+\int \dfrac{d \rho}{\rho}+gz = \rm{const.}

Jupyter+Pytorchの実行エラー

OMP: Error #15: Initializing libiomp5.dylib 

というエラーがでた。

github.com

Jupyterの先頭に以下を記述するとエラーが消えた。

import os
os.environ['KMP_DUPLICATE_LIB_OK']='True'

毎回書くのは面倒なので、.zshrcに記述した。

export KMP_DUPLICATE_LIB_OK=TRUE

analytics-note.xyz

オイラー表示、ラグランジュ表示、ALE表示

物体の運動の表示 (ラグランジュオイラー) - PENGUINITIS
http://penguinitis.g1.xrea.com/study/note/motion_description.pdf

ラグランジュ表示:優勝候補の選手や先頭の選手に張り付いて、彼らと一緒に移動しながら観戦する
オイラー表示:道端につっ立ってただ旗を振り ながら、目の前を次々と横切る走者を眺める
ALE表示(Arbitrary Lagrangian Eulerian): ある特定の選手を特に熱心に応援したい場合、ある地点で選手がやってくるのを待ち、現れたらしば らく一緒に走って応援する

粒子の運動(質点の運動方程式)や固体の変形(固体力学)➟ラグランジュ表示
流体の運動や流体中の物質の濃度拡散(N-S方程式)➟オイラー表示(物質の点の相対位置が大きく変わるときに用いる)
流体中の移動境界問題の記述など➟ALE表示

オイラー表示とラグランジュ表示が問題になるのは、物体を構成する点における量の時間変化(微分)を取り扱うときである。

ラグランジュ表示のことを、物質微分、物質時間微分、実質微分ラグランジュ微分などと呼ぶ(Material Derivative: D/Dt)⇔(Partial Derivative: ∂/∂t)
物質微分 - Wikipedia

D/Dtは∂/∂tと異なりガリレイ不変である。